食品衛生法 違反条文ガイド|輸入食品22,000件のデータで読む条文早見表

このページは、厚生労働省が公表した輸入食品違反事例23年分・22,000件超のデータをもとに、食品衛生法の主要条文を実務目線で解説したガイドです。
輸入業者・通関士・食品メーカーのコンプライアンス担当者が「どの条文で、どんな食品が、なぜ止まるのか」を素早く確認できることを目的としています。

※ 本ページは法的解釈の提供を目的としません。個別案件への法令適用については所轄の検疫所または専門家にご確認ください。

食品衛生法とは

目的
飲食に起因する衛生上の危害を防止し、国民の健康を守ること(第1条)
輸入との関係
海外から食品・添加物・器具・容器包装を輸入する場合、この法律の基準に適合しない品は国内に入れることができない
違反したら
積み戻し・廃棄・命令検査移行などの行政処分。令和6年度は約247万件の届出に対し731件が法違反として処分された

違反件数ランキング早見表(23年分・全条文)

件数は当サイトデータベース(2002〜2024年度)の集計値です。条文名をクリックすると詳細解説記事へ移動します。

順位 条文 規制内容(一言) 件数 典型違反 詳細
1 第11条 添加物の使用基準・残留基準 6,387 指定外添加物の使用、二酸化硫黄超過 → 解説
2 第6条 腐敗・変質・有毒食品の禁止 2,657 アフラトキシン、カビ、変色 → 解説
3 第11条第2項 食品の成分規格(添加物残留) 3,359 成分規格不適合(添加物残留) → 解説
4 第6条第2号 有毒・有害物質含有食品 2,254 アフラトキシン、重金属 → 解説
5 第13条第2項 食品の規格基準(微生物・製造基準) 1,679 細菌数超過、E.coli陽性 → 解説
6 第10条 輸入禁止規定・衛生証明書 1,363 衛生証明書の不添付・不備(食肉) → 解説
7 第11条第3項 農薬等のポジティブリスト残留基準 789 農薬残留超過(カカオ豆、野菜) → 解説
8 第6条第1号 腐敗・変質した食品 784 カビ、異臭、変色、塊化 → 解説
9 第18条 器具・容器包装の規格基準 585 鉛・カドミウム溶出(陶磁器) → 解説
10 第13条第3項 残留農薬・動物用医薬品の基準 580 農薬残留(アボカド、えだまめ) → 解説
11 第18条第2項 容器包装の溶出規格 540 鉛・カドミウム溶出 → 解説
12 第4条 食品営業の定義 227
13 第12条 指定外添加物の使用禁止 218 TBHQ、サイクラミン酸、アゾルビン → 解説
14 第62条 検査命令(命令検査移行) 126
15 第62条第1項 同上(第1項) 23
16 第5条 輸入食品の届出義務 40
17 第10条第2項 輸入禁止規定(第2項) 18
18 第68条第1項 罰則規定(第1項) 3
19 第29条 営業禁止命令 6
20 第67条 罰則規定 2

※ 個別解説記事があるのは件数500件以上の条文(または実務上重要度の高い条文)です。

違反は4つのパターンに分かれる

22,000件のデータを整理すると、輸入食品の違反は大きく4つの類型に集約されます。「食品本体の問題」だけではない点が重要です。

01
有害物質・残留基準超過

アフラトキシン(カビ毒)、農薬残留、動物用医薬品残留、重金属など。食品本体の安全性に関わる違反。

主な根拠条文:第6条第2号、第11条、第11条第3項、第13条第3項

多い食品:落花生・ナッツ類、カカオ豆、野菜・果実、水産物

02
添加物の規格・用途違反

日本未指定の添加物の使用、または指定されていても対象食品外の使用。「海外では合法」でも日本基準に合わなければ止まる。

主な根拠条文:第11条、第11条第2項、第12条

多い食品:加工食品、乾燥果実、飲料、調味品

03
腐敗・変質・微生物汚染

輸送・保管中の腐敗、細菌数超過、E.coli・サルモネラ検出など。食品本体の問題だが、製造工程・輸送管理に起因することが多い。

主な根拠条文:第6条、第6条第1号、第13条第2項

多い食品:冷凍野菜、水産加工品、穀物類

04
証明書・容器包装の違反

衛生証明書の不添付・不備、器具・容器包装の溶出規格違反。食品本体が問題なくても止まる類型。見落とされやすい。

主な根拠条文:第10条、第18条、第18条第2項

多い品目:食肉(証明書)、陶磁器・ガラス食器、プラスチック容器

よくある質問

違反が見つかった場合、どのような処分になりますか?

主な処分は「積み戻し(輸出国へ返送)」「廃棄(国内廃棄処分)」「食用外転用」の3種類です。積み戻し・廃棄はいずれも輸入者の負担となります。また、同一品目・同一国での違反が続くと「命令検査」に移行し、以降の全輸入品が検査対象となります。個別の処分内容については所轄の検疫所に確認してください。

輸出国で合法な食品・添加物でも、日本で違反になることはありますか?

あります。日本の食品添加物制度は「ポジティブリスト方式」をとっており、厚生労働省が指定した添加物以外は原則使用できません。EU・米国・アジア各国で認可されている添加物でも、日本の指定リストにない場合は違反になります。また、指定されていても「対象食品外への使用」も違反です。輸入前に日本の添加物データベースとの照合が必要です。

通関時に問題なく通った食品が、後から違反になることはありますか?

あります。厚生労働省は「輸入時の違反事例」だけでなく「国内で発見された輸入食品の違反事例」も公表しています。輸入時の検査は全件ではなく抽出検査が中心のため、輸入後に問題が発覚するケースがあります。国内流通後に発覚した場合は回収・廃棄の対象となり得ます。

食品そのものに問題がなくても輸入が止まることはありますか?

あります。代表例は2つです。①食肉などで義務付けられている「衛生証明書」の不添付・形式不備(第10条)。②食器・容器包装の溶出規格不適合(第18条)。前者は商品の安全性とは別に書類の問題で通関が止まります。後者は食品本体ではなく接触する資材の問題です。いずれも事前の確認・準備で防げる違反です。

このサイトのデータはどこから来ていますか?

厚生労働省が毎月公表している「輸入食品の食品衛生法違反事例」をもとに、当サイト(japanfoodsurveillance.org)が2002年度〜2024年度分(23年分・22,000件超)を独自にデータベース化したものです。運営元は貿易サイト HUNADE(hunade.com) です。

参考リソース・関連リンク

この食品を輸入予定ですか?

違反履歴を確認した上で、次のステップへ進んでください

国・品目・違反内容の組み合わせを先に確認すると、食品届の要否・証明書類・仕入先への確認項目を絞り込みやすくなります。

運営元の実務支援については Hunade をご覧ください。

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